こんにちわ、小松令和です 
昨日から勝手に連載を始めた「有馬~じゃん放浪記」第2章
★天神牛は見た!★が始まるよ!
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そしてヨーコ(ヒロインをカクヨウコと仮に名付けてみた)は舌がマヒしたまま席を立った。
入り口近くのソファにはいつの間に入って来たのか、若者の一群が苺デニッシュやナンピザを頬張っていた。もちろん下のパン・ド・ボーで売っているものだ。同じものが何個も皿に乗っていた。
全種類買って少しづつ味見をしたらいいのに
と思いつつレジに向かう。
ふと視線を落とすと、入り口脇に飾ってある本が目に入った。
「有馬温泉陶泉・御所坊殺人事件」
建築学者・京極要平事件簿!なんとすべて実在の旅館で事件が起きるシリーズだ。とりあえずAmazonで取り寄せてみるか迷う。
残念ながら兵衛向陽閣ではなかったが、第一弾にこの有馬温泉が舞台となっている。カフェ・ド・ボーのお菓子も登場するらしい。じつはカフェ・ド・ボーのボーは、坊、で御所坊の経営だそうだ。
ちなみに有馬はかつて十二の坊、つまり旅館があり、その名残で坊つきの名前の旅館が今でも数多くあるのだ。
何年か前に流行った女子十二楽房とはボー違いの別物である。
表に出ると入れ違いに年配の女性観光客たちが入って行った。有馬にしてはとても暖かい陽気で、ヨーコは山椒のせいでまだ暑いくらいだった。
金の湯前ではいつもに増して多くの年配の観光客が足湯に浸かってはしゃいでいた。
今日は年配の方だらけだな。
そこにはヨーコが入り込む余地はなかった。足湯をスルーし、左の小路「天神泉源」に向かう。泉源に行くには、地図で当りをつけ、あとは有馬温泉特有の鉄さび色、湯気、そしてゴーという音、を辿ってゆけば簡単に見つけられる。
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坂を上り詰めると鳥居が見えてきた。
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パイプが境内に続いていた。このパイプは赤くさびているだけでなく、塩まで吹いていた。また配電盤の箱には暗号のような文字が描かれている。何かのメッセージだろうか?
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天神様の神社内にあるから「天神泉源」というのだ、とヨーコは気がついた。
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いつからいるのか、天神牛も泉源のほうを向いて座っていた。
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神社の階段をあがるときは入り口に郵便局員が二人いて何か話をしていたが、ふと見ればバイクを置いて消えていた。郵便物はバイクの箱の中に置いて、二人で昼ご飯でも食べに行ったのだろうか?のどかな街だ。
有馬の泉源はこの天神を含め7つある。
1.天神泉源
2.有明泉源
3.炭酸泉源
4.太閤泉(飲泉場)
5.極楽泉源
6.御所泉源
7.妬(うわなり)泉源
ヨーコが前から行きたかったのが「炭酸泉源」だ。
かつて「鳥地獄・虫地獄」と恐れられ、周辺住民が近寄らない場所だったというが、今では「有馬炭酸サイダー」や「炭酸煎餅」として代表的な土産物の名前になっている。
炭酸泉源で炭酸水を飲む、というのが有馬に来た時からのヨーコのささやかな夢だった。
目的の蕎麦屋には一番最後に立ち寄るコースを組み、ヨーコは雪国神社経由で炭酸泉源へ向かうことにした。
途中、正面に兵衛向陽閣が見えてきた。初めて全景を見ることができた。ひときわ大きく、高台にたっている。
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一番右の低層階部分が東館、震災で壊れてしまった残りだそうだ。
並んで北館、左端が西館で、手前がフロントのある南館だ。
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雪国神社が稲荷なのは一目見てわかった。渋谷のトンネルにあるようなカラフルな落書きでキツネの絵が描かれていたからだ。
脇には「瑞宝寺公園 左500M」という案内板が出ていた。ヨーコは宝泉寺公園に行くつもりはなかったが、気が変わった。
500Mだったらそんな遠くないから行ってみようかな、秀吉の碁盤というのが見てみたい
と思い直し、ちょっとだけ寄り道することにした。
そして、自分が今歩き過ぎてきた道中にあった「有明泉源」を見逃したことについては、最後、蕎麦屋で地図を広げるまで気づくことがなかった。
⇒「有馬~じゃん放浪記・その3」へつづく Coming Soon
営業企画課 小松令和
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有馬温泉 兵衛向陽閣
〒651-1401
神戸市北区有馬町1904
Tel 078(904)0501
Fax 078(904)3838
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昨日から勝手に連載を始めた「有馬~じゃん放浪記」第2章
★天神牛は見た!★が始まるよ!
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そしてヨーコ(ヒロインをカクヨウコと仮に名付けてみた)は舌がマヒしたまま席を立った。
入り口近くのソファにはいつの間に入って来たのか、若者の一群が苺デニッシュやナンピザを頬張っていた。もちろん下のパン・ド・ボーで売っているものだ。同じものが何個も皿に乗っていた。
全種類買って少しづつ味見をしたらいいのに
と思いつつレジに向かう。
ふと視線を落とすと、入り口脇に飾ってある本が目に入った。
「有馬温泉陶泉・御所坊殺人事件」
建築学者・京極要平事件簿!なんとすべて実在の旅館で事件が起きるシリーズだ。とりあえずAmazonで取り寄せてみるか迷う。
残念ながら兵衛向陽閣ではなかったが、第一弾にこの有馬温泉が舞台となっている。カフェ・ド・ボーのお菓子も登場するらしい。じつはカフェ・ド・ボーのボーは、坊、で御所坊の経営だそうだ。
ちなみに有馬はかつて十二の坊、つまり旅館があり、その名残で坊つきの名前の旅館が今でも数多くあるのだ。
何年か前に流行った女子十二楽房とはボー違いの別物である。
表に出ると入れ違いに年配の女性観光客たちが入って行った。有馬にしてはとても暖かい陽気で、ヨーコは山椒のせいでまだ暑いくらいだった。
金の湯前ではいつもに増して多くの年配の観光客が足湯に浸かってはしゃいでいた。
今日は年配の方だらけだな。
そこにはヨーコが入り込む余地はなかった。足湯をスルーし、左の小路「天神泉源」に向かう。泉源に行くには、地図で当りをつけ、あとは有馬温泉特有の鉄さび色、湯気、そしてゴーという音、を辿ってゆけば簡単に見つけられる。
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坂を上り詰めると鳥居が見えてきた。
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パイプが境内に続いていた。このパイプは赤くさびているだけでなく、塩まで吹いていた。また配電盤の箱には暗号のような文字が描かれている。何かのメッセージだろうか?
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天神様の神社内にあるから「天神泉源」というのだ、とヨーコは気がついた。
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いつからいるのか、天神牛も泉源のほうを向いて座っていた。
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神社の階段をあがるときは入り口に郵便局員が二人いて何か話をしていたが、ふと見ればバイクを置いて消えていた。郵便物はバイクの箱の中に置いて、二人で昼ご飯でも食べに行ったのだろうか?のどかな街だ。
有馬の泉源はこの天神を含め7つある。
1.天神泉源
2.有明泉源
3.炭酸泉源
4.太閤泉(飲泉場)
5.極楽泉源
6.御所泉源
7.妬(うわなり)泉源
ヨーコが前から行きたかったのが「炭酸泉源」だ。
かつて「鳥地獄・虫地獄」と恐れられ、周辺住民が近寄らない場所だったというが、今では「有馬炭酸サイダー」や「炭酸煎餅」として代表的な土産物の名前になっている。
炭酸泉源で炭酸水を飲む、というのが有馬に来た時からのヨーコのささやかな夢だった。
目的の蕎麦屋には一番最後に立ち寄るコースを組み、ヨーコは雪国神社経由で炭酸泉源へ向かうことにした。
途中、正面に兵衛向陽閣が見えてきた。初めて全景を見ることができた。ひときわ大きく、高台にたっている。
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一番右の低層階部分が東館、震災で壊れてしまった残りだそうだ。
並んで北館、左端が西館で、手前がフロントのある南館だ。
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雪国神社が稲荷なのは一目見てわかった。渋谷のトンネルにあるようなカラフルな落書きでキツネの絵が描かれていたからだ。
脇には「瑞宝寺公園 左500M」という案内板が出ていた。ヨーコは宝泉寺公園に行くつもりはなかったが、気が変わった。
500Mだったらそんな遠くないから行ってみようかな、秀吉の碁盤というのが見てみたい
と思い直し、ちょっとだけ寄り道することにした。
そして、自分が今歩き過ぎてきた道中にあった「有明泉源」を見逃したことについては、最後、蕎麦屋で地図を広げるまで気づくことがなかった。
⇒「有馬~じゃん放浪記・その3」へつづく Coming Soon
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営業企画課 小松令和
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有馬温泉 兵衛向陽閣
〒651-1401
神戸市北区有馬町1904
Tel 078(904)0501
Fax 078(904)3838
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